担当者コラム

2024年10月18日 (金)
「断捨離」・・思うこと

 2010年かれこれ14年も前のことです。

 当時世間を賑わした「人生がときめく片づけの魔法:こんまりメソッド」記憶にある方もいらっしゃるかと思います。

 当時わたしは、地元を離れた子供たちが残していった荷物や、そのままになった部屋、長年たまった洋服などを横目に見て、複雑な思いでいました。処分や片づけもできず、とは言っても気になる事は避けて通れず、静かにストレスが蓄積していました。この斬新なワードに惹かれたのもこのストレスを解消してくれるツールだと思ったからでした。

 このこんまりメソッドにはいくつかポイントがあって「捨てるものを選ぶのではなく、残すものを選ぶ」「自らのときめきを判断基準にしている」と、従来の片づけの意味合いとは異なり、とにかく自分に問い続けるというのです。

 何とかなるかもしれないと期待しつつ「これトキメク?」と、残された荷物と自分に問いかけ、イライラしながら処分したことを覚えています。
 

 そして時を経て、ここ最近では「断捨離」という言葉が定着し、TVでも取り上げる機会が多くなってきました。そもそも「断捨離」とは、ヨーガの思想で不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする考えだそうですが、物と人の共存って本当に難しいなあとつくづく思います。

 必要だったものが、不必要なものへ変化したことを見過ごしていくと、いつの間にかモノに独占されてしまいます。自覚しないままいくと、それが当たり前になっていきます。 その気持ちを表現したシルバー川柳をご紹介します。

 「これ大事 あれも大事と ゴミの部屋」

 (公益社団法人全国有料老人ホーム協会 シルバー川柳作品より)

 わたしが後見人として担当している方々からも、まさにこの言葉をよく聞きます。

 そして「散らかってても困ってないでいいだよ」こんな言葉もよく返ってきます。

 みなさん一人一人が、それぞれの価値観で日々生活を送っていらっしゃいますが、いつの間にか暮らしが物に支配されているのではないか、と思ってしまうこともたびたびあり、つい「片づけましょう!要らないものは捨てましょう」と強めな発言になりがちです。

 ただそんな時こそ、本人にとっての「大事な物」「宝物」への思いをまずはゆっくりと聞くこと、その方の生きてきた時間に一緒にタイムスリップすることの大切さも実感しています。だからこそ、気持ちと時間に余裕を持ち、さらにその先の生活がイメージできるよう一緒に考えたいと思います。

 わたしの経験から「スッキリ感」を味わうと、少し気持ちが上向きになり、生活に余白が生まれます。その体験も、担当している方々には、味わってもらえたらなぁと思う今日この頃です。

(A.T記)

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