浜松成年後見センター
特定非営利活動法人
2025年4月18日 (木)
後見センターの看板犬、黍己羅(ショコラ)を偲んで・・・
浜松成年後見センターは今年設立12年。そして、同じ12歳になったセンターの看板犬だったハスキー犬ショコラ(黍己羅)が、この3月7日にガンで逝ってしまった。

法人事務所を我家から元城町に移す迄の約9年間、ショコラは毎日2階から1階に出勤し、玄関で皆を迎え、事務所内をマイペースで見回っていた。吠えた事も無く友好的で、犬が苦手な人間などいないと思っていたようだ。初めて出会う人は皆、お尻のにおいを嗅がれる洗礼を受けていた。たまに脱走し、近くのゴルフ場を思いきり走り回ったりして私たちを困らせたりもした・・・そして、事務所が引越してしまっても、1年くらいは同じように朝から玄関で皆を待っていた。私も夫も仕事に出てしまうので、昼間はずっと独りぼっちになってしまったが、やがてそれにも慣れて、たまに来客があると嬉しそうだった。
思い返せば、この20年くらいの間、我が家には、多い時は10匹のメインクーン(猫)たちと保護猫たちの出入りがあり、犬も2匹居て、人の出入りと共に賑やかだった。やがて時が流れ、1匹ずつ見送り、ショコラが最後となった。
ショコラは昨年令和6年の1月に口腔内メラノーマが見つかり、先生から何もしなければ1か月、治療しても6か月の命と宣告された。直ぐに手術をしてもらい、その後5回の抗がん剤治療に、紆余曲折はあったが耐え抜き令和7年を迎えることができた。しかし、年明け直ぐに肺に転移が見つかってからは、とても早く辛い日々だった。サプリや薬は亡くなる日まで飲ませ続けていた・・・ショコラも精一杯頑張っていた。
先生に「安楽死」をお願いした時、「あまりそういうことはしない」、と言われ、どうして?と思ったが、ショコラが最後の最期まで、苦しい中、必死で呼吸をしようと、生きようとする姿に、何もできない私は身体をさすりながら、ショコラの生きたいという本能を、私が奪うことはできないのだと感じた。
丁度、同時期、飼犬を自分で看取ってから施設に入るの、と在宅で頑張っていた利用者Aさんが急変し入院。犬の心配ばかりしていたが、何とか彼女が生きている間に、新しい飼い主を見つけ引き取ってもらうことができた。携帯の動画で、新しい飼い主の元で元気に遊ぶ犬の姿を見て、Aさんは安心して亡くなった。
この仕事をしていると、人間以外の小さな生き物たちをめぐる様々なドラマに関わり、心が揺さぶられる。みんな大切な命。人間だけではない。
TV等で毎日のように流れてくる、『駆除』『殺処分』というワードがいつも心に刺さる。 人間の身勝手さで正当化され、奪われていく数多くの小さな命たち。こんな恐ろしい言葉をメディアは、いつから当たり前のように使い、子供たちに聞かせ、何のために刷り込ませていくのだろう…。
(堂元京子 記)